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なんと幸いでしょう

  • jelcnogata
  • Dec 16, 2021
  • 7 min read

2021年12月19日 待降節第4主日

ルカによる福音書1章39~45節


福音書  ルカ1:39~45 (新100)

1: 39そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。 40そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。 41マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、 42声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。 43わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。 44あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。 45主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」


みなさんが想像する、みなさんにとって最高の幸せとはなんでしょうか。私は、今は牧師になってこうして聖書のお話をさせていただけることが本当に幸せだなあと思っています。でも、もしもイエス様に出会っていなかったとしたら、私はもっと違った最高の幸せを思い描いていたかもしれません。実は私はOLをしていたことがあるのですが、当時は東京の豊洲というところに勤めていて、私はその町が大好きでした。運河が流れていてモクレンの街路樹が植わっているような美しい町でした。そこにはタワーマンションとか呼ばれる超高層マンションがたくさんあるのですが(芸能人が住んでるようなところです)、私はいつも自分がそのタワーマンションに住むことを想像して楽しんでいました。あと桃が好きなので毎日岡山の桃食べて、それから優しい旦那さんと結婚したら最高に幸せだなあくらいに思っていたと思います。その時は。今の私が目指している方向性とはかなり違うと思いますが、とにかく私が言いたかったのは、最高の幸せというのは神様と出会うことによって変化するものなのではないでしょうか、ということです。


今日の聖書のお話にはエリサベトという人が登場します。エリサベトにとって、彼女の思い描く最高の幸せは、子どもを持つことであっただろうと思います。エリサベトは夫ザカリアとの間に子どもが生まれないまま年を取りました。聖書の時代、子どもが生まれなかった女性は、夫からつらくあたられ、女性同士の集まりからも仲間はずれにされて、つらい人生を送ることがほとんどでした。旧約聖書の価値観では子どもは神の祝福のしるしでした。ですから子どもが生まれない夫婦はそのどちらかが罪を犯しているとさえ思われていました。しかし子どもが生まれないことは本人の罪とは無関係です。実際に聖書はエリサベトとその夫ザカリアは「神の前に正しい人であった」と伝えています。子どもがいないというだけで、家族の中で居場所を失い、人から仲間はずれにされた上に、「あの人は罪を犯しているから子どもが生まれないに違いない」と噂される。つらい日々であっただろうと思います。


しかしエリサベトはずっと願ってきた、そしてなかばあきらめていた、最高の幸せを手にします。妊娠したのです。子どもが生まれる。年を取っていたのに、不妊の女と呼ばれていたのに、子どもが生まれる。エリサベトは神様のみわざのすばらしさをたたえ、自らの幸いをかみしめていただろうと思います。彼女は1章25節でこう語っています。「主は今こそ、こうして、わたしに目を留め、人々の間からわたしの恥を取り去ってくださいました。」子どもがいないことで貶められて、差別されてきたその恥が取り去られた幸せを率直に言い表していると思います。


しかしエリサベトは、マリアの訪問を受けることで、もう一つの幸せを体験します。それは、主イエスに出会う幸せです。それはエリサベトにとって、子どもが生まれるという最高の幸せにもまさる幸せでした。今日の聖書のお話はイエスの母マリアが親戚にあたるエリサベトを訪問したという場面を伝えています。マリアはナザレというイスラエルの田舎に住んでいましたから、エルサレム地方にあるザカリアの家に行くために約112キロメートルの道のりを歩いたことになります。伝統的にエリサベトとザカリアが住んでいたのはエン・カレムという村であったと言われています。エン・カレムはエルサレムの西の郊外に位置している小さな村です。その小さな村にマリアはエリサベトを訪ねて行きます。同じように奇跡的に妊娠したエリサベトを訪ねて、おそらくはその喜びや、あるいは不安を分かち合おうとしたのでしょう。


マリアの訪問を受けたエリサベトは、マリアのことを「わたしの主のお母さま」と呼びます。エリサベトはルカ福音書の中でイエス様のことを「主」と呼んだ最初の登場人物です。エリサベトはマリアの胎内の子が主イエスであると悟り、よろこびます。聖霊に満たされ、よろこんで、神を賛美して語りだすのです。このときエリサベトがよろこんでいるのは、自分に子どもが生まれるからではありません。もう仲間はずれにされて恥ずかしい思いをしないからではありません。そうではなくて、主に出会ったからです。主の母マリアの訪問を受けたからです。イエス様がこの世に生まれてきてくださることを信じたからです。こうしてエリサベトは彼女にとってもう一つの、そしてより大きな幸せに出会います。その幸せとはイスラエルが待ち望んでいた救い主、主が間もなくお生まれになるという幸せ、そしてその母親の訪問を受ける者となったという幸せです。


マリアのお腹の中のイエス様に出会うまで、エリサベトの思う、彼女にとって最高の幸せは、自分が子どもを持つことであったと思います。子どもを産んだ女性として堂々と生きていけることであったと思います。しかし神はそれを上回る幸せと喜びを彼女に与えられました。エリサベトはイエス様に出会ったのです。エリサベトは、洗礼者ヨハネの母となっただけではなく、イエス様のことを「主」と告白する最初の人になったのです。エリサベトの思いを超えた幸いを、エリサベトの想像を上回る幸いを、神は備えていてくださったのでした。


私たちにとってのクリスマスの出来事も、エリサベトの体験と同じではないでしょうか。私たちはクリスマスがやって来るたびに、自らの思いを超えた幸いに出会っているのではないでしょうか。私たちはイエス様が生まれてきてくださることによって、私たちが想像する一番大きな幸せよりも、さらに大きな幸せを神様からいただくことができます。私たちの想像をはるかに上回る幸せを、神様はイエス様を通して備えてくださっています。それが、イエス様が私たちのためにお生まれになるという、クリスマスの出来事です。


私たちの思う幸せと言うのは色々あります。大きい家に住みたいとか、素敵な人と結婚したいとか、子どもをこんな学校に入れたいとか、いろんな夢があると思います。そして私たちがもしイエス様と出会わないなら、それこそが私たちにとっての最高の幸せと言えたと思います。それだけを目指して生きていったかもしれないと思います。でも私たちはイエス様と出会いました。イエス様と出会って、自分がイエス様に愛されているたった一人のかけがえのない存在であると知り、自分のしてしまったどんなずるいことや悪いこともすべて赦されていると知り、どんなことがあっても永遠に神様が私たちを見捨てないで味方でいてくださるということを知ったのです。私たちが思うどんな幸せよりも、イエス様と出会うことは幸せなことです。イエス様と出会うことで私たちは神の愛、罪の赦し、永遠の命をいただきます。それは私たちが想像することのできる幸せをはるかに上回る幸せです。


イエス様のお生まれにあって、エリサベトは自分の思いを超えた幸せに出会いました。私たちもまた同じです。イエス様がこの世に来てくださったことによって、私たちは私たちの思いを超えた大きな幸せに出会います。私たちの想像もつかない、大きな幸せをいただくことになるのです。クリスマスはもうすぐです。来週またここで、イエス様のお生まれという最高の幸せをご一緒に分かち合いましょう。

 
 
 

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