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よろこびをわかちあう(降誕祭)

私たちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安とが、あなたがたにあるように。アーメン

クリスマスおめでとうございます。こうして集まることができたことを嬉しく思います。

皆さんは、誕生日の思い出はありますか。一つ歳をとってお兄さんお姉さんになり、お祝いのプレゼントを貰えるならば嬉しい思い出になることでしょう。家族や友人にとっても、皆さんの誕生日は特別です。なぜなら、この日に生まれたからこそ、あなたと出会えたからです。だからこそ、誕生日の喜びは分け合われるのです。

クリスマスは、イエスさまのお生まれをお祝いする日です。今では12月に入ると、飾り付けられた街にクリスマスソングが流され、楽しげな雰囲気に包まれます。けれども、世界で最初のクリスマスは、喜びいっぱい!というわけではありませんでした。

ある日、ナザレという小さな村に住むマリアの前に、突然、天使が現われ「おめでとう」と告げました。どうやらお腹に赤ちゃんが贈られたのだというのです。マリアは驚きつつも、天使のお告げを信じました。

この出来事によって、マリアと結婚の約束をしていた大工のヨセフは、とても悩みました。結婚の準備ができていないのに、赤ちゃんを身ごもったと噂されれば、マリアは皆から石を投げられる罰を受けなければなりません。そこで、ヨセフはひそかにマリアと別れようとしたのです。

そこには、天使の「おめでとう」に、「ありがとう」と喜べないような心配がありました。しかし、その後、夢に天使が現われたことで、ヨセフはマリアと赤ちゃんと一緒に生きる道を選ぶこととなるのです。

大変な出来事はまだ続きます。赤ちゃんが生まれそうになった頃、「人数を数えるため、皆生まれた村戻れ」と王様が命令を出しました。

ヨセフが生まれたのは、ベツレヘムという村でした。子どもが生まれそうな時に旅をするのは大変なことです。しかも、二人が到着した時、ベツレヘムは帰ってきた人で溢れ、泊まる宿がないほどでした。そこで、動物を休ませる馬小屋で、夜を過ごさせてもらうことにしたのです。

主イエスは、この馬小屋でお生まれになりました。

ナザレでは赤ちゃんの事を隠し、ベツレヘムでは泊まる宿もない。冷え込む夜に馬小屋で出産し、赤ちゃんを布にくるんで寝かせるのは飼い葉桶。赤ちゃんの誕生だけが、マリアとヨセフの喜びだったことでしょう。

しかし、馬小屋に訪れた者たちがいました。それが、天使のお告げを聞いた羊飼いたちだったのです。

羊飼いは、羊のお世話で礼拝に出る事ができず、身なりも汚いため、人々から避けられていました。そのような彼らに、主イエスのお生まれは真っ先に伝えられたのです。羊飼いたちにとって、それは大きな喜びでした。

同時に、マリアとヨセフの喜びでもありました。天使以外の誰も「おめでとう」とは言ってくれない中で、羊飼いたちが馬小屋に来てくれた。一緒に喜ぶことができたからです。

静かで暗い馬小屋の中、喜びを分け合うことで、最初のクリスマスはお祝いされました。だからこそ、私たちもまた、一緒に集まり、クリスマスの出来事を喜び、お祝いしたいのです。

望みの神が、信仰からくるあらゆる喜びと平安とをあなたがたに満たし、聖霊の力によって、あなたがたを望みにあふれさせてくださるように。アーメン

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